続・安藤三緒の独り言

ライブ情報☆八王子びー玉☆12月21日(水)八王子papaBeat

虫嫌いの人は見ないでください4

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つづきを

少し目を離しているうちに、いつの間にか起き上がっていた夏休み君(蝉の名前)。
驚異の腹筋で起き上がり、ワッシと自分の抜け殻にしがみついております。後は羽を広げる作業を残すのみとなりました。

夏休み君の体はまだ白っぽく羽もエメラルドグリーンで、到底、あの茶色の蝉になるとは思えない風体です。

そしてこの羽を広げる作業が、羽化をする者にとって最も慎重にならなくてはならない時なのです。もしこの時、誰かが羽に少しでも触れようものなら、たちまち羽はくっついて剥がせなくなり、飛ぶことはおろか、広げる事もできず、それは即ち、彼らにとっては死を意味することになります。
なので私達は固唾をのんで、そっと夏休み君を見守っておりました。

彼は、小さく折りたたまった羽を慎重に慎重に、そして徐々に徐々に広げていき、小一時間程すると、あの、蝉特有の縦長の薄い二枚羽が姿を現しました。

色は未だエメラルドグリーンで、羽の筋がなんとも美しいのです。

そういえばこの光景は、私が幼い頃(おそらく20年程前の夏休みに)、父や兄やいとこの兄達と、早朝のまだ暗い時間帯に、カブトムシを取りに雑木林へ行った時、真っ暗な林の中で見た事がありました。
懐中電灯の光が闇を照らし出し、そこに映る白く若い蝉の成虫は、それはそれは美しく、子どもながらに見とれてしまった事を思い出しました。


「なんて幻想的な光景!」
と、またも興奮して写真を撮りまくる人間2人。情緒もへったくれもあったものではありません。


そうして、数時間が経ち、夜が深まるにつれ、羽は乾いて少しづつ茶を帯びていきました。


旅立ちは、もうすぐです。

つづく