シフォンケーキヒストリー
本日は大みそか。家族と親戚が集まって、家で年越しパーティーをするからです。
私はケーキを焼くのが趣味と言えば趣味なのですが、中でもシフォンケーキをよく焼きます。
なぜなら私にとってシフォンケーキは特別なケーキだからです。
私がまだ8歳くらいの頃、ある日、母が背の高い大きな、でも生クリームが塗ってあるだけの地味なケーキを買ってきました。
何の気なしに食べてみると、それはもう驚きでした。
今まで食べたことのないやわらかで、繊細な舌触りと、ふわりと口中に広がる控えめな甘さに、当時の私はケーキの概念を覆され、感動し、すっかりその魅力に取り憑かれてしまいました。
それが、当時はまだ珍しかったシフォンケーキでした。
その後、すぐに私の誕生日があったため、母がバースデーケーキにまたこのケーキを買ってきてくれましたが、このケーキ屋さんはその日、閉店してしまうとのことで、残念ながらもうこの味に出会う事が叶わなくなってしまったのです。
…続く
