続・安藤三緒の独り言

ライブ情報☆12月10日(土)八王子びー玉☆12月21日(水)八王子papaBeat

虫嫌いの人は見ないでください~最終章~

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つづきを

朝、目覚めて夏休み君(蝉の名前)の様子を伺いに行ったところ、そこに彼はおらず抜け殻だけが残っておりました。
どこに行ったのか探していると、窓のさんの所にじっとしておりました。
体はすっかり蝉色になっていて、もう旅立つ準備はできているようです。
私は外に出してやろうと思い、彼を連れてきた時と同じように人差し指を差し出しました。
すると、そっと6本の手足で私の指に掴まりました。

私は窓を開けて、その指を外に出しました。外は早朝のため、少し肌寒く、まだ白く霞がかかっています。

彼はもう、すぐに飛び立てる所にいましたが、じっとして動こうとしません。

「ほら、行きなよ。」

私は急かしてみましたが、彼は全くの無反応です。そしてじっと空だけを見つめていました。

(まだ行きたくないのだろうか。)

私はそう思い、網戸にくっつけてやろうと思った瞬間、

「ビッ」

と言って薄曇りの空へと飛んで行ってしまいました。

「あ、」

私は姿を追いましたが上空へ上がって行ってしまったため、すぐに見えなくなってしまいました。

「行っちゃったなぁ」

と空を見上げていると、その時、

「ミーンミンミンミー」
と蝉の鳴き声が上(私の家の団地の屋上)から聞こえてまいりました。

それはきっと夏休み君の鳴き声だったと思います。

彼の夏は今年で終わります。
蝉は何年間もの間、土の中で生活をし、時期になると羽化をして、成虫になった後は1週間~2週間程の命といいます。その間に次の世代へ血を受け継ぐ為に精一杯生きるのです。
夏休み君も、自らのその運命を知ってか知らずか、無事に羽化を遂げて、旅立って行きました。

そして薄暗い部屋には抜け殻がひとつ。


そろそろ、夏が終わります。

おしまい